早稲田MBA入試の過去問を解いてみた(その1)の続きです。
さて、スパゲッティの数とピザの数を一つ一つ当てはめてたらきりがありません。一旦数式に整理して、図をかいてみましょう。
スパゲッティを\(x\)人前、ピザを\(y\)人前作るとすると、それぞれのレシピと冷蔵庫の中の材料の量から、
\begin{alignat}
550x&+&25y&\leq&1500\tag{1}\\
40x&+&50y&\leq&1800\tag{2}\\
100x&&&\leq&2700\tag{3}\\
&&120y&\leq&3600\tag{4}\\
\end{alignat}
と書けます。あと、当然\(x\)も\(y\)も0以上なので、
\begin{eqnarray}
x\geq0\tag{5}\\
y\geq0\tag{6}\\
\end{eqnarray}
となります。この6式を図示しましょう。
赤い線が式(1)~式(6)の境界線で、水色に塗られたところが式(1)~式(6)全てを満たす領域です。この水色の領域の中のどこか、もしくは領域を形成する赤い線上のどこかが、売上を最大にする\(x\)と\(y\)です。
ところで問題文より、スパゲッティは1000円、ピザは800円とのことです。なので売上は、\(1000x+800y\)と表せます。売上を\(s\)として、
\begin{eqnarray}
s=1000x+800y\tag{7}\\
\end{eqnarray}
としましょう。この式(7)は下図のような傾きの線です。
なんだか余白を目いっぱい使ってしまいましたが、座標軸を書かなかったのは理由があります。この緑色の線は、傾きは決まっていますが、書く場所は決まっていません。なぜならば、\(s\)の値しだいでどこにでも書けるのです。\(s\)は売上ですから、この緑色の線と水色の領域(境界含む)が重なる\(s\)を最大にする点\((x,y)\)をさがせばよいのです。試しに緑色の線を下図のようにおいてみましょう。
もっと大きく、具体的には緑色の線を水色の領域の右上のほうにもっていくことができそうですね。ではこれではどうでしょう?
まだ大きくできそうですね。ではこれではどうでしょう?
どうでしょう?これ以上大きくする、具体的には緑色の線を水色の領域の右上のほうにもっていくと、緑色の線は水色の領域と重ならなくなってしまいます。ということは、この水色の領域と緑色の線が重なっている点が式(1)~式(6)全てを満たす最大の売上\(s\)を表すところになるといえます。この点は式(1)と式(2)の交点ですから、式(1)と式(2)の連立方程式を解くと、\(x=20,y=20\)となり、売上は\(1000\times20+800\times20\)で36,000円になります。
というわけで解答は
どうしたら良いかについては、スパゲッティを20皿、ピザを20枚作ればよい、ということになります。なぜそうなるかについては、上図とその説明を書くのと、「何を作っても売り切れることは確実」である点を書けばOKです。問題文に解答は図を使ってもよい点が示されていますので、長々と文字だけを書くより説明しやすいと思います。
ちなみに・・・
専門用語を使わなかったため説明が冗長になってしまいましたが、これは数理計画法という与えられた条件下で望ましい目的を達成するための計画を数理的に立てる方法を用いた問題です。
(早稲田MBA入試の過去問を解いてみた(その3)につづく)