年齢別dodaの平均年収
下図がdodaが公表している年齢別平均年収です。
年齢 | 平均年収 | 対5年前 |
22 | 279 | |
23 | 293 | |
24 | 320 | |
25 | 342 | |
26 | 360 | |
27 | 376 | |
28 | 388 | |
29 | 402 | |
30 | 416 | |
31 | 430 | |
32 | 445 | |
33 | 452 | |
34 | 459 | |
35 | 468 | |
36 | 475 | |
37 | 483 | |
38 | 485 | |
39 | 501 | 107.1% |
40 | 513 | |
41 | 515 | |
42 | 523 | |
43 | 525 | |
44 | 543 | 105.8% |
45 | 542 | |
46 | 559 | |
47 | 574 | |
48 | 585 | |
49 | 594 | |
50 | 605 | |
51 | 620 | |
52 | 622 | |
53 | 637 | |
54 | 658 | |
55 | 671 | |
56 | 682 | |
57 | 712 | |
58 | 747 | |
59 | 790 |
ちなみにグロービスのレポートにある、
仮にDODA集計(※)による年齢ごと平均年収の差分を同年代ビジネスパーソンの年収増加とした場合、35歳から39歳では7.1%、40歳から44歳では5.8%であり、
(アンダーラインは筆者の追記)
というのはそれぞれ図の赤字の箇所を示していると思われます。
グロービス在校生の職種の割合で補正
さて、これに前回示した、グロービス在校生の職種の割合で重みづけした平均年収に基づく平均年収増分を補正してみましょう。前回の散布図に示しましたが回帰直線は、
\begin{eqnarray}
y=1.6245x-337.42\\
\end{eqnarray}
となります。つまり、平均年収が100万円上がると平均年収増分が162万円上がる可能性がある、ということですね。グロービス補正後平均年収は461万円でしたので、この上式に461万円を当てはめると、平均年収増分は411.47万円となります。故に、461万円+411.47万円=872.47万円がdoda平均年収の最高額を示す59歳に達成するように、年齢別平均年収を補正してみると、以下のようになります。
年齢 | 補正年収 | 対5年前 |
22 | 279 | |
23 | 294 | |
24 | 322 | |
25 | 345 | |
26 | 364 | |
27 | 381 | |
28 | 395 | |
29 | 410 | |
30 | 425 | |
31 | 441 | |
32 | 458 | |
33 | 466 | |
34 | 475 | |
35 | 485 | |
36 | 494 | |
37 | 503 | |
38 | 507 | |
39 | 525 | 108.2% |
40 | 539 | |
41 | 543 | |
42 | 552 | |
43 | 556 | |
44 | 577 | 107.0% |
45 | 577 | |
46 | 597 | |
47 | 614 | |
48 | 628 | |
49 | 639 | |
50 | 653 | |
51 | 671 | |
52 | 675 | |
53 | 693 | |
54 | 717 | |
55 | 733 | |
56 | 747 | |
57 | 782 | |
58 | 823 | |
59 | 872 |
これで一応職種の割合をグロービスに合わせた年齢別平均年収が導けたことになります。
グロービスのレポートの検証
さて、やっとここまできました。グロービスレポートにあったdoda平均の「35歳から39歳では7.1%、40歳から44歳では5.8%上がった」という主張を置き換えてみましょう。
doda平均 | グロービス職種割合補正doda平均 | 比 | |
35→39歳 | 7.1% | 8.2% | 115.5% |
40→44歳 | 5.8% | 7.0% | 120.7% |
置き換えても比は2割増し弱とそれほど変わりません。
置き換え後の値を用いてレポートの主張を検証します。レポートによると、
アンケート回答時年齢が35歳から39歳までの平均年収の増加率平均は35.0%、40歳から44歳までは27.4%であった。・・・(中略)・・・グロービスの卒業生では各年代で約5倍の大きな上昇率を示す。
(下線は筆者の追記)
とあります。35→39歳で7.1%から8.2%、40→44歳で5.8%から7.0%と置換したとしても、約5倍は言い過ぎですが、約4倍とはいえることがわかります。
ここまでのまとめ
グロービスのレポートには「グロービスの卒業生では各年代で約5倍の大きな上昇率を示す。」とありました。レポートには「仮に」とあったので、もう少し近いデータとの比較とするために、doda平均をグロービス在学生の職種割合に応じて平均年収増分を見直して比較したところ、「約5倍の上昇率」は言い過ぎですが、約4倍の上昇率とはいえそうです。
この記事では、グロービス卒業生の職種割合について最新のグロービス在学生データを代替として採用しているため、実際の卒業生の職種割合はわかりませんが、いずれにせよ「大きな上昇率を示す」という主張は妥当性がありそうです。
・・・と、ここまで来て一つ気になることがあります。グロービスレポートでは2017年のdoda平均年収を用いて年収増分を評価していますが、それでは賃金上昇率が考慮されないのではないのでしょうか。
<2018/10/22追記>
引用元のつづりが誤っておりました。関係者の方々には大変失礼いたしました。本文中の表記を訂正するとともに、ここにお詫び申し上げます。
(誤)duda
(正)doda
なお、パーソルキャリア株式会社は転職サービスのブランドである「DODA」を2018年10月16日に「doda」にリブランディングしましたので、本稿では後者に合わせて表記しております。
併せて、「グロービスのレポートの検証」章の数値が100%ベースになっておりわかりづらかったため、上昇率のみの表記に変更いたしました。表記上の問題であるため、結論に変更はございません。