3月~4月は仕事でトラブル対応をしていたため、勉強も研究もほとんどできず、ブログも更新できませんでした。ゴールデンウィークもなしかと覚悟していたのですが、それだけは回避できそうです。束の間の休息です。
さて、「卒業生の声」計量テキスト分析 早稲田(WBS)編です。ツールは「卒業生の声」計量テキスト分析 グロービス編と同様にKH Coderを利用しました。
データソースは早稲田WBSホームページの「Get to Know Our Students(学生紹介)」に掲載されていた、既に卒業している夜間コース21人分のインタビュー記事から、肩書や経歴を削除したテキストデータです。総抽出語数は15,234、異なり語数は2,034でした。
共起ネットワークによる分析
下図が生成された共起ネットワークになります。
■パラメータ
カラー:中心媒介性、最小出現数:11、 最小文章数:1、 描画数:93、 強い共起関係ほど太い線で描画、 出現数の多い語ほど大きい円で描画、 最小スパニングツリーを強調表示、ラベルが重ならないように位置を調整
うーん、難しいですね・・・。
まあ順を追ってみてみましょう。グロービスとの比較という観点で見ていけば、なにかわかるかもしれません。
早稲田 |
グロービス |
まず自校の名称の周りを見てみましょう。グロービスと比較します。早稲田にはグロービスに出てきた「ディスカッション「ケース」「議論」といったワードがありません。代わりに「講義」「知識」というワードがあります。これは授業スタイルの差なのでしょう。
あと早稲田には「実務」というワードがあります。後述しますが、「理論」というワードも出ています。グロービスにはどちらもありません。学校の軸足が「実務」「理論」どちらかに寄っているならば、卒業生はその二つの対比を意識しようがないわけで、おそらくこのワードは出てきません。早稲田の場合両方とも出てきています。「実務」「理論」の2面を意識したカリキュラムポリシーなのでしょう。
次に周辺を見てみましょう。
これもグロービスにはなかったワードです。「ゼミ」「論文」、この2つはWBSでの学習・研究過程で重要な要素なのだと思います。
次に右上あたりです。
「基礎」が中心性を持っています。後述しますが、「専門」というワードも出ています。どうも「実務」と「理論」、「基礎」と「応用」という2つの軸でWBSの印象が語られているような気がします。その2×2で4つのセグメントを意識した学校なのではないでしょうか。
今度は上あたりです。
「基礎」に対をなすワード「専門」がでています。「基礎」と「専門」、いずれも中心性を帯びています。「基礎」と「専門」の「科目」を幅広く「履修」できた、ということでしょうか。「ファイナンス」はWBSがファイナンスを独立した専攻として扱っていた時代の卒業生のインタビュー含んでいますので、そこだけ飛び出て抽出されたのでしょう。
「高い」は、このインタビューで登場する言葉を品詞順にランキングすると、形容詞でもっとも出てくるワードです。どういう使われ方をしているかというと、「モチベーションが高い」「意識の高い」「カリキュラムのフレキシビリティが高い」「高い志」というような感じです。学生の意識が高く、専門科目などのカリキュラムも充実している、ということだと思います。
まとめ
すごくザックリまとめると「WBSでは、理論から実務、基礎から専門まで豊富で幅広いカリキュラムで、高い意識の学生に囲まれて学ぶことができた。講義だけでなく、ゼミと論文執筆を通して得られたものも大きい。」ということでしょうか。たしかに、WBSは実務家教員比率がちょうど50%で、理論と実務のバランスが意識されています。倍率も高く、モチベーションと能力の高い学生が集まっているかもしれません。
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